通り過ぎた

夢日記

真夜中、自転車を押して歩いていた。
一人ではない。
ゼミ生たちが一緒で、ゼミ室に帰るところだ。
前輪のライトが少し不調で視界はいつもよりも暗い。
周りは田舎の風景で街灯も無いので、ライトの先に薄暗く見える彼岸花の群生が少し怖い。
(あれ、私、昨日もここ通ったな…)
一本道を間違えそうになって、先を歩いているゼミ生たちに注意される。
正しい道に入ったら、すぐゼミ室だ。
しかしわいわい言っている仲間たちの声が少し遠い。
早く部屋に入ればいいのに、と思っていたら腕を掴まれて私は電気も付いていない建物の中に押し込められた。
ゼミ室ではない、昔話に出てきそうな古民家だ。
出入り口の方から、かしゃん、という音が聞こえた。
柔らかい木の数珠が鳴っているような音。
(あ、鍵を閉められた)

暗闇。

かしゃん、しゃん、しゃん…
同じ音が聞こえる。
夢か、現実か、私は「寝ていた」。
音は悪寒とともに、左肘から右肩へ、体の上を通り過ぎた。
(通った!!今、なんか通った!!)
見たのかどうか、解らない。
頭の中に浮かんだのは馬車のようなのイメージだった。
それは遠くへ行って、消えた。

ややして、右側の暗闇…私の部屋の壁、から声が聞こえた。

「○○」

私の名前を呼んだ。
父の声に似ている。

何?、と答えようとしたが口が動かない。
(あ、これ、金縛りだ…)

少しずつ、体の硬直が抜けていくとともに意識がはっきりしてくる。
私は目を覚ました。

ふと、こうしたものを「妖怪」と呼んだのだろうか、と思った。

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